レジオネラ菌

当社では様々な用途、状況に応じて早期診断・予防対策に取り組み、
施設の安全と信用、お客様に安心を提供します。

レジオネラ菌について

レジオネラ属菌は自然環境では土壌、河川、池や沼などに生息し、 人工環境では空調用冷却塔、給湯器、噴水、加湿器などに生息しています。
いろいろな種類があり、現在41菌種が認められています。
これらを総称してレジオネラ属菌と呼びます。
このレジオネラ属菌は、土埃などと共に冷却塔水やその他の人工環境水を汚染することがあり、 種々の条件で菌が体内に侵入すると、「レジオネラ肺炎」や「ボンティアック熱」、 場合によっては死亡する可能性がある「レジオネラ症」を引き起こす原因になります。

※人から人への感染はありません。

レジオネラ菌対策

昨今、各地の入浴施設や温泉などでレジオネラ属菌による事件が多発しました。
24時間風呂や循環式の浴槽などはレジオネラ属菌によるレジオネラ症を防止していかなければいけません。 では、レジオネラ属菌とはどのような菌なのでしょうか?
また、どのような対策方法があるのか?考えてみたいと思います。

浴槽水の定期的交換

毎日、完全排水、循環ろ過装置を利用している場合でも、1週間に1回以上は排水し、清掃、消毒をする。 ろ過器の清掃・消毒(1週間に1回以上)

レジオネラ属菌検査

連日使用型の浴槽の場合は、レジオネラ属菌検査を年に2回以上実施する必要があります。(毎日換水型の場合の検査頻度は年に1回以上)

・入浴者は身体を洗ってから入浴する
・適切な浴槽水管理が出来ない場合はジャグジー、気泡ジェット等のエアロゾルが発生する器具等の使用をしない
・循環浴槽水は、打たせ湯やシャワーに使用しない
・洗浄にて、バイオフィルムを除去することが必要

よくある質問

感染の危険因子について教えて下さい

感染症の発症には、病原体-宿主-環境の三要素が深く関わっています。
一般的には、レジオネラ属菌は感染性はそんなに強くはないといわれていまして、本感染症は、宿主の感染防御機能が低下している場合に多くみられます。しかし、健康な人であっても、新生児や高齢者など生理的に感染症に対する抵抗が弱い場合は、レジオネラ属菌によって高度に汚染されたエアロゾル(空中に浮遊している小さい粒子)を一定量以上肺に吸引するだけで、感染することがあります。

レジオネラ症に罹らないようにするには、どうしたらよいのでしょうか

本感染症は、レジオネラ属菌によって汚染されたエアロゾルを、直接肺に吸い込まないよう心掛けることによって、その感染を回避することができます。そのため、超微粒子を形成しやすく、かつ肺に吸引する機会が多い、循環式浴槽、打たせ湯、バブルジェット式浴槽、シャワーの水などのほか、非加熱式加湿器、冷却塔水の飛散水などは、その管理に厳重な注意が必要になります。その他、工事現場の砂塵を吸い込んで感染した事例も報告されていますので、そのような場所ではマスクなどの着用も効果があると思われます。

レジオネラ症が疑われた場合の対応を教えてください

発生の疑いがある場合、医師の診断および保健所への届出で確認されることが多いため、届出の時点ではすでに感染の成立から相当時間が経っている場合があります。このため、各施設では日頃から来客者名や住所などを把握しておくとともに、問題が生じた時には設備の使用を中止し、浴槽水等の消毒を行わずそのままの状態で保存し、保健所等の指示を待ちます。

浴槽水のレジオネラ属菌の検査はどこに依頼すればよいのでしょうか

当社または最寄りの保健所や衛生研究所などに相談して下さい。

検査を行うにあたり、検体の採取・搬送などで注意しなければならないことは何ですか

レジオネラ属菌は自然環境菌ですので、数日間の遠距離輸送では死滅することはまずないと考えてよいでしょう。むしろ、輸送中に増殖して菌数が増える可能性ありますので、菌数測定を目的に検査を行う場合には、4~10℃に保存した状態で輸送した方がよいと思われます。

レジオネラ菌による被害

空調冷却水内で増殖した菌が冷却塔(クーリングタワー)から飛散したり、入浴施設の水循環装置や浴槽表面で増殖した菌がシャワーなどで利用されたり、浴槽の気泡装置で泡沫に含まれたりしてエアロゾルとなり、それが気道を介して吸入され、肺に存在するマクロファージ(肺胞マクロファージ)に感染することによって発病する。日本でも毎年数人がレジオネラにより死亡している。

 特に日本では入浴設備からの感染事例が多い。1995年頃から販売された家庭用の循環式の24時間風呂装置によってレジオネラ感染症が発生して販売中止になったほか、各地の温泉や共同入浴施設で感染して死者が出た例がある。

前述のように、レジオネラは入浴施設で多用される濾過循環装置のフィルタでは処理できない。

レジオネラ症とは

レジオネラ症が独立疾患として最初に認識されたのは、1976年夏のことでした。米国フィラデルフィアのベルビュー・ホテルで、在郷軍人会ペンシルバニア州支部総会が開催された時、同州各地から参加した会員の221名が、帰郷後に原因不明の重症肺炎を発病し、そのうち34名が死亡しました。

この重症肺炎は、米国疾病予防センター(CDC)の精力的な調査により独立疾患と認められ、在郷軍人会(The Legion)にちなんで、在郷軍人病(Legionnaires’disease)と呼ばれました。半年に及ぶ研究の結果、新しい病原菌が発見され、Legionella pneumophilaと命名されました。

その後、レジオネラ症には、肺炎型だけでなくインフルエンザのような熱性疾患型があることが、1965年のミシガン州ポンティアック衛生局庁舎内の集団発生にまでさかのぼって判明し、この病型をポンティアック熱と呼ぶようになりました。

レジオネラ肺炎にかかると、悪寒、高熱、全身倦怠感、頭痛、筋肉痛などが起こり、呼吸器症状として痰の少ない咳、少量の粘性痰、胸痛・呼吸困難などが現れ、症状は日を追って重くなっていきます。 腹痛、水溶性下痢、意識障害、歩行障害を伴う場合もあります。潜伏期間は、通常1週間前後です。1999年4月に施行された、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(いわゆる感染症法)においては、レジオネラ症は全数把握の4類感染症に分類され、診断した医師は1週間以内にその情報を最寄りの保健所に届けることが義務づけられました。